電子顕微鏡入門シリーズ

SEM/TEMの原理から実践的な分析技術まで - ナノスケール観察への第一歩

📚 全5章構成 ⏱️ 学習時間: 150-180分 💻 コード例: 35個 📊 難易度: 入門〜中級

シリーズ概要

本シリーズは、電子顕微鏡(SEM/TEM)の基礎原理から実践的な分析技術まで、Pythonを使った実践的なアプローチで学ぶ入門コースです。材料のナノスケール構造解析に必要な知識と技術を習得します。

学習の流れ

flowchart LR A[第1章
電子顕微鏡の基礎] --> B[第2章
SEM入門] B --> C[第3章
TEM入門] C --> D[第4章
STEMと分析技術] D --> E[第5章
統合分析実践] style A fill:#f093fb,stroke:#f5576c,stroke-width:2px,color:#fff style B fill:#f093fb,stroke:#f5576c,stroke-width:2px,color:#fff style C fill:#f093fb,stroke:#f5576c,stroke-width:2px,color:#fff style D fill:#f093fb,stroke:#f5576c,stroke-width:2px,color:#fff style E fill:#f093fb,stroke:#f5576c,stroke-width:2px,color:#fff

シリーズ構成

第1章
電子顕微鏡の基礎

電子光学の基本原理、光学顕微鏡との比較、分解能の理論、電子線と物質の相互作用、電子顕微鏡の種類と特徴を学びます。

⏱️ 30-35分 💻 7コード例 📊 入門
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第2章
SEM入門

SEMの装置構成、二次電子(SE)と反射電子(BSE)の違い、EDSによる元素分析、ZAF補正法、実践的な観察・分析技術を学びます。

⏱️ 30-35分 💻 7コード例 📊 入門〜中級
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第3章
透過型電子顕微鏡(TEM)入門

TEM結像理論、明視野・暗視野像、制限視野回折(SAED)、格子像・高分解能TEM、収差補正技術を学び、原子レベルの解析基礎を習得します。

⏱️ 25-35分 💻 7コード例 📊 中級
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第4章
STEMと分析技術

STEM原理、Z-contrast像、電子エネルギー損失分光(EELS)、元素マッピング、原子分解能分析、トモグラフィーの基礎と応用を学びます。

⏱️ 25-35分 💻 7コード例 📊 中級〜上級
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第5章
EDS・EELS・EBSD統合分析実践

Pythonで学ぶ統合分析ワークフロー、HyperSpyによるデータ処理、機械学習分類、相同定、結晶方位解析、トラブルシューティングを実践します。

⏱️ 30-40分 💻 7コード例 📊 上級
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学習目標

このシリーズを完了することで、以下のスキルと知識を習得できます:

推奨学習パターン

パターン1: 標準学習 - 理論と実践のバランス(5-7日間)

パターン2: 集中学習 - 電顕マスター(3日間)

パターン3: 実践重視 - データ解析スキル習得(1日)

前提知識

分野 必要レベル 説明
材料科学基礎 入門レベル完了 結晶構造、化学結合、材料の分類の理解
物理学 大学1-2年レベル 電磁気学、波動光学、量子力学の基礎
数学 大学1年レベル 微積分、線形代数、フーリエ変換の基礎
Python 中級 numpy、matplotlib、pandas、scikit-image、HyperSpyの基本操作

使用するPythonライブラリ

このシリーズで使用する主要なライブラリ:

FAQ - よくある質問

Q1: 電子顕微鏡の実機に触れた経験がなくても大丈夫ですか?

はい、大丈夫です。本シリーズは理論と計算・データ解析に焦点を当てています。実際の装置操作は扱いませんが、データ解釈とシミュレーションを通じて深い理解が得られます。

Q2: SEMとTEMの違いは何ですか?

SEM(走査型)は試料表面をビームで走査し、表面形態を観察します。TEM(透過型)は試料を透過した電子線で内部構造を原子レベルで観察します。第2章と第3章で詳しく説明します。

Q3: Materials Informatics(MI)との関係は?

電子顕微鏡データは材料のミクロ構造情報の宝庫です。本シリーズで学ぶデータ処理と機械学習技術は、MI における材料データベース構築、組織-特性相関モデリング、自動相分類に直接応用できます。

Q4: HyperSpyの習得は必須ですか?

第5章で重点的に扱いますが、基本的なnumpyとmatplotlibの知識があれば学習できます。HyperSpyは電顕コミュニティで広く使われているため、実務で非常に有用です。

Q5: 生物試料にも適用できますか?

本シリーズは材料科学(金属、セラミックス、半導体)に焦点を当てていますが、基本原理は生物試料にも共通です。ただし、試料作製法(固定、染色、包埋)は大きく異なります。

学習のポイント

次のステップ

このシリーズを完了した後、以下の発展学習をお勧めします:

免責事項