シリーズ概要
本シリーズでは、NIMO(旧称: NIMS-OS)について包括的に学びます。NIMOは、閉ループ自動材料探索システムを統括するPythonライブラリで、ロボット実験とAI最適化アルゴリズムを組み合わせて、人手を介さない効率的な材料発見を実現します。
NIMOは、日本の国立研究開発法人物質・材料研究機構(NIMS)によって開発されました。従来の「実験を一つずつ手動で選択・実行する」アプローチから、「AIが実験を提案し、ロボットが実行し、結果が自動的に次のイテレーションに反映される」というインテリジェントなループへのパラダイムシフトを実現します。
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A[🤖 AIアルゴリズム] -->|提案| B[📋 候補リスト]
B -->|準備| C[🔬 ロボットシステム]
C -->|実行| D[📊 実験結果]
D -->|分析| A
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なぜNIMOを学ぶのか?
課題: 従来の材料探索は時間とコストがかかります。研究者は手動でどの実験を行うかを決め、結果を待ち、次のステップを計画する必要があります。このプロセスは、単一の材料最適化に数年かかることもあります。
解決策: NIMOはこのワークフロー全体を自動化します。11種類のAI最適化アルゴリズム(ベイズ最適化を含む)、3つのロボットシステムインターフェース、強力な可視化ツールを備え、必要な実験数を最大90%削減しながら、より高速に最適材料を発見できます。
全5章の内容
第1章: NIMOとは? - 実験自動化の新時代
従来の材料探索の課題と、閉ループ自動化がそれをどう解決するかを理解します。NIMOの機能概要を学び、パッケージをインストールします。
第2章: NIMOのアーキテクチャ
NIMOのモジュラーアーキテクチャ(AIツール、ロボットインターフェース、可視化コンポーネント)を探索します。CSVベースのデータフローとコアワークフロー関数について学びます。
第3章: AI最適化アルゴリズム
NIMOの11種類の最適化アルゴリズムを詳しく解説します。ベイズ最適化(PHYSBO)に焦点を当て、BLOX、PDC、SLESAなど他の手法の使い分けを学びます。
第4章: 実践チュートリアル
サンプルデータを使用して、材料探索の完全なワークフローを実行します。selection()、preparation_input()、analysis_output()関数を実行し、結果を可視化します。
第5章: 応用と次のステップ
カスタムロボット統合、多目的最適化、NIMOを実際の実験システムに接続する方法を学びます。継続学習のためのリソースを紹介します。
対象読者
- 自動材料研究に興味のある学部生・大学院生
- 実験ワークフローを加速したい研究者
- 自律型実験システムを構築するエンジニア
- 材料科学への応用を探求するデータサイエンティスト
前提知識
必須:
- Pythonの基礎(変数、関数、リスト、辞書)
- 材料科学の基本概念の理解
推奨:
- ベイズ最適化の概念に親しんでいること(ベイズ最適化シリーズ参照)
- pandas DataFrameとCSVファイルの経験
主要ツール
- NIMO: メインのオーケストレーションライブラリ(
pip install nimo) - PHYSBO: ベイズ最適化のバックエンド
- NumPy/Pandas: データ操作
- Matplotlib: 可視化
学習パス
完全な初心者向け:
第1章 → 第2章 → 第3章 → 第4章 → 第5章
所要時間: 90-120分
ベイズ最適化に精通している方向け:
第1章(概観) → 第2章 → 第4章 → 第5章
所要時間: 60-80分
クイック実践スタート:
第1章 → 第4章
所要時間: 40-50分
次のステップ
本シリーズ完了後のおすすめ:
- ベイズ最適化入門: 最適化理論のより深い理解
- 能動学習入門: 高度な実験選択戦略
- ハイスループット計算: 計算ワークフローのスケールアップ
始めましょう!
材料研究を革新する準備はできましたか?第1章から始めて、NIMOがあなたの実験ワークフローをどのように変革できるか学びましょう!