画像認識のための最重要アーキテクチャを体系的にマスター
シリーズ概要
このシリーズは、畳み込みニューラルネットワーク(Convolutional Neural Network, CNN)を基礎から段階的に学べる全5章構成の実践的教育コンテンツです。
CNNは、画像認識・物体検出・セグメンテーションなどのコンピュータビジョンタスクにおいて最も重要な深層学習アーキテクチャです。畳み込み層による局所的特徴抽出、プーリング層による次元削減、そして転移学習による効率的なモデル構築手法を習得することで、実務で使える画像認識システムを構築できます。基礎的なCNNの仕組みから、ResNet・EfficientNetなどの最新アーキテクチャ、YOLOによる物体検出まで、体系的な知識を提供します。
特徴:
- ✅ 基礎から応用まで: 畳み込みの原理から物体検出まで体系的に学習
- ✅ 実装重視: 40個以上の実行可能なPyTorchコード例、実践的なテクニック
- ✅ 直感的理解: フィルタ・特徴マップの可視化で動作原理を理解
- ✅ PyTorch完全準拠: 業界標準フレームワークを使った最新の実装手法
- ✅ 転移学習実践: 事前学習済みモデルによる効率的な開発手法
総学習時間: 100-120分(コード実行と演習を含む)
学習の進め方
推奨学習順序
初学者の方(CNNをまったく知らない):
- 第1章 → 第2章 → 第3章 → 第4章 → 第5章(全章推奨)
- 所要時間: 100-120分
中級者の方(深層学習の経験あり):
- 第2章 → 第3章 → 第4章 → 第5章
- 所要時間: 80-90分
特定トピックの強化:
- 転移学習: 第3章(集中学習)
- データ拡張: 第4章(集中学習)
- 物体検出: 第5章(集中学習)
- 所要時間: 20-25分/章
各章の詳細
第1章:CNNの基礎と畳み込み層
難易度: 初級〜中級
読了時間: 20-25分
コード例: 8個
学習内容
- 畳み込み演算の原理 - カーネル、ストライド、パディングの理解
- フィルタと特徴マップ - エッジ検出、テクスチャ抽出の仕組み
- チャネルと次元 - RGB画像の処理、多チャネル畳み込み
- 畳み込み層の実装 - PyTorchによるConv2Dの実装と可視化
- 受容野の概念 - 畳み込み層の重ね方と視野の広がり
学習目標
- ✅ 畳み込み演算の数学的原理を理解する
- ✅ フィルタによる特徴抽出の仕組みを説明できる
- ✅ パディングとストライドの効果を理解する
- ✅ PyTorchでConv2Dを実装できる
- ✅ 特徴マップを可視化して解釈できる
第2章:プーリング層とCNNアーキテクチャ
難易度: 中級
読了時間: 20-25分
コード例: 8個
学習内容
- プーリング層の役割 - Max Pooling、Average Pooling、次元削減
- LeNetとAlexNet - 初期のCNNアーキテクチャの特徴と実装
- VGGNet - 小さなフィルタを重ねる設計思想
- ResNet - 残差接続による深層化と勾配消失問題の解決
- EfficientNet - 効率的なスケーリング手法
学習目標
- ✅ プーリング層の役割と種類を理解する
- ✅ 代表的なCNNアーキテクチャの特徴を説明できる
- ✅ ResNetの残差接続の重要性を理解する
- ✅ PyTorchでVGG/ResNetを実装できる
- ✅ アーキテクチャの選択基準を理解する
第3章:転移学習とファインチューニング
難易度: 中級
読了時間: 20-25分
コード例: 8個
学習内容
- 転移学習の原理 - ImageNet事前学習モデルの活用
- 特徴抽出アプローチ - 凍結層による高速学習
- ファインチューニング - 段階的な層の解凍と学習
- timmライブラリの活用 - 数百種類の事前学習済みモデル
- ドメイン適応 - 異なるデータセットへの適用戦略
学習目標
- ✅ 転移学習のメリットと原理を理解する
- ✅ torchvisionで事前学習済みモデルを読み込める
- ✅ 特徴抽出とファインチューニングを使い分けられる
- ✅ timmで最新モデルを活用できる
- ✅ データサイズに応じた転移学習戦略を設計できる
第4章:データ拡張とモデル最適化
難易度: 中級
読了時間: 20-25分
コード例: 8個
学習内容
- 基本的なデータ拡張 - 回転、反転、クロッピング、色変換
- 高度な拡張手法 - Mixup、CutMix、RandAugment
- 正則化テクニック - Dropout、Batch Normalization、Weight Decay
- Mixed Precision学習 - FP16による高速化とメモリ削減
- 学習率スケジューリング - Cosine Annealing、Warmup
学習目標
- ✅ torchvision.transformsでデータ拡張を実装できる
- ✅ Mixup/CutMixの効果を理解する
- ✅ 正則化手法を適切に適用できる
- ✅ Mixed Precision学習で高速化できる
- ✅ 学習率スケジューラを効果的に使える
第5章:物体検出入門
難易度: 中級
読了時間: 25-30分
コード例: 8個
学習内容
- 物体検出の基礎 - Bounding Box、IoU、Non-Maximum Suppression
- YOLOアーキテクチャ - ワンステージ検出の仕組みと実装
- Faster R-CNN - ツーステージ検出とRegion Proposal Network
- 検出評価指標 - mAP、Precision-Recall曲線
- 実践的な物体検出 - OpenCVとの連携、リアルタイム推論
学習目標
- ✅ 物体検出の基本概念を理解する
- ✅ IoUとNMSの仕組みを説明できる
- ✅ YOLOで物体検出を実装できる
- ✅ mAPで検出性能を評価できる
- ✅ OpenCVと連携してリアルタイム検出できる
全体の学習成果
このシリーズを完了すると、以下のスキルと知識を習得できます:
知識レベル(Understanding)
- ✅ CNNの畳み込み演算とプーリングの原理を説明できる
- ✅ 代表的なCNNアーキテクチャの特徴と進化を理解している
- ✅ 転移学習の仕組みとメリットを説明できる
- ✅ データ拡張と正則化の効果を理解している
- ✅ 物体検出の基本アルゴリズムを説明できる
実践スキル(Doing)
- ✅ PyTorchでCNNを実装できる
- ✅ 事前学習済みモデルで転移学習を実行できる
- ✅ データ拡張パイプラインを構築できる
- ✅ Mixed Precisionで学習を高速化できる
- ✅ YOLOで物体検出システムを構築できる
応用力(Applying)
- ✅ 新しい画像分類タスクに適切なアーキテクチャを選択できる
- ✅ データサイズに応じた転移学習戦略を設計できる
- ✅ 過学習を防ぎながらモデルを最適化できる
- ✅ リアルタイム推論システムを構築できる
前提知識
このシリーズを効果的に学習するために、以下の知識があることが望ましいです:
必須(Must Have)
- ✅ Python基礎: 変数、関数、クラス、ループ、条件分岐
- ✅ NumPy基礎: 配列操作、ブロードキャスト、基本的な数学関数
- ✅ 深層学習の基礎: ニューラルネットワーク、誤差逆伝播、勾配降下法
- ✅ PyTorch基礎: テンソル操作、nn.Module、DatasetとDataLoader
- ✅ 線形代数の基礎: 行列演算、内積、形状変換
推奨(Nice to Have)
- 💡 画像処理の基礎: ピクセル、チャネル、画像フォーマット
- 💡 最適化アルゴリズム: Adam、SGD、学習率スケジューリング
- 💡 Matplotlib/PIL: 画像の読み込みと可視化
- 💡 GPU環境: CUDAの基本的な理解
推奨される前の学習: